拝啓
お元気ですか?東京も寒くなってきたけど、高千穂から五ヶ瀬川沿いに吹き下ろしてくる寒風は、身を切る冷たさでになったのではないかな?東京みたいな人間だらけの所にいると、冬の夕空に浮かぶ山々や、群青色に輝く日向灘がとても懐かしくなるよ。もちろん川辺のススキの穂をきらめかして吹き抜けていく風の音さえも…。
ところで先日トンボガエリで宮崎に飛んだけど、航空券代がえらく値上がりしてるのには驚いてしまったね。割引きが使えなかったけど往復約7万円。確か1年前は5万3千円位じゃなかったかしらん。1月に取材でウィーン経由でハンガリーまで往復した飛行機賃は、12万3千円。どう考えても、日本とハンガリーの距離は、羽田と宮崎の倍以上あると思うんだがね。日本は確かにデフレ経済だけど、モノの値段はまだまだ高いのじゃなかろうか。
値段といえば、原油の値段の上がり下がりもこの1年すごかったね。5年前は1バーレル20ドル程度だったのが年初めには90ドル台、夏には150ドル近くまで跳ね上がり、「200ドルは目の前」と言われていたと思ったら急転直下、値下がりに値下がりが続いて、ただ今では40ドル台(先物相場)。値上がりしてるときには「投機資金が流れ込んでいるだけで、来年(2009)の秋頃には落ち着く」と左団扇で、膨大な利益をつかって企業の買収を進めていた石油産出国機構(OPEC)も大慌てになり、キャンセルにつぐキャンセル。「74ドルが適正価格」と声明を出す始末。いかに実体(キャッシュでの取引)のない巨額な取引が、信用の名のもとに世界を駆けめぐっているか、この2、3年の原油騒動を見ても分かるね。ついでながら原油の単位バーレルは英語の「樽」からきてるんだって。原油の場合は、1樽159リットルだから、1升瓶だと80本強。
「信用取引ワルモノ説」もあるけど、信用があってこそ経済活動は広がっていくのだし、だからこそ人々は職を得て、豊かな生活がエンジョイできるのだから、「ニワトリと卵」の関係は永遠に続くだろうよ。要は「その信用のふくれ方」の程度が問題であり、昨今の金融危機も「ふくれ上がった信用取引を埋めるだけのキャッシュがないから、そのキャッシュをどう賄うか」という騒ぎであって、これは「ふくれ方がこの位なら適当だ」と皆が納得するまで続くんじゃないか?パン粉とイースト菌の関係みたいじゃないのかな。
豊かさを求める姿勢は、1990年代のコンピューター革命から過激になってきたみたい。貧富の格差など、アッという間にデーターや写真で画面に写し出されてしまう世の中になった。「アッ、あいつらはこんなにイイ生活していて、俺たちはこんなにミジメなのか」という怒りは、瞬時に共通の思いとなり、部族、民族、国家と規模をひろげてテロや戦争となっていく。人口は世界的に増大していく。とくにイスラム世界(北アフリカから中央アジアまで)では、爆発的に増え続けていっている昨今、「豊かさを求める闘争」が絶えることはないだろう。なにしろ「人間の数という分母」が増え続けていくのに、「富という分子」がなかなか増えないのだから、取り分が少なくなっていくのは当たり前で、いままで持っていた側にいた人間は「取られてなるものか」とシャカリキになる。争いの種は尽きないね。もっとも今まで述べたことは、すでにハーバート大学のハッティントン教授が二十年前、論文で発表してることだけど…。
五里霧中のような世の中だけど、とにかくしっかり目を開いて勉強だけは続けていこうと思っている。よろしくご指導の程を。お元気で。
Works
2009.1.10
2009.1.6
ホームページ企画・制作事業
いよいよ始動。
SEO対策事業を開始。